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人間には自由意志なんてない 〜自由になるために「人生計画」を作るのは、矛盾なんじゃないの?〜

人生計画であなたの夢を目標に変えて実現する、シナジーブレインの安田修です。

夏休みが終わって、今日から復帰です。休み中は家族でのんびりして、読書だけはしていましたが意識して脳を休めました。そんな中、ぼけ〜っと考えたことの一部を纏めてみますね。「自由と好奇心」を追究するなら、自らを縛り付けるような「人生計画」を作るのは、おかしいのではないかというのが今回のテーマです。

どんな休暇を過ごしたか

子どもたちの夏休みに合わせて5日間、私の実家に帰省していました。私は実家が北海道なので、帰省といっても小旅行になります。5日間とはいえ、去年の3月に会社を辞めて起業して以来、初めてのまとまった休みでした。合宿は、休みじゃないですからね。むしろ頭がフル回転するので、合宿は全く休みにはなりません。

「実家が北海道だと良いね」と言われることが多いのですが、実家の士別は道北なのでそんなに観光地がありません。せいぜい旭山動物園と、美瑛・富良野のラベンダーを見て回るくらいでしょうか。「魚介が食べたい」と妻が言っても、内陸部なので探してなんとか満足してもらったりとか。そんな「旅行」でした。

そんなわけで結構ヒマなので、たっぷり食べてぐっすり寝て、それでも時間が余ります。4冊持っていった本を、一応4冊ざっと読み終わりました。普段はビジネス書や小説を読むことが多いのですが、今回は思うところがあってブルーバックスを4冊、選びました。中でも単純な脳、複雑な「私」という本が面白かったです。

自由とはいったい何なのか

2010年の本で、しかも高校生への過去の講義を基にして書かれた本なので、知識としてはもうちょっと古くなっているのかもしれないのですが、最先端の知識が得たいわけではないので問題ありません。この池谷さんの本は好きで、良く読むんですよ。脳と進化、宇宙と量子力学のあたりは本当に面白いので、お勧めです。

「脳というのは単純な構造であり、外部の刺激に対して『ゆらぎ』はあるものの基本的には自動的に答えを返す」ということが書いてあります。そう考えると、人間の意志とか自由というものは何なのだろうかという問題提起です。さらに「人間はなぜか、より自由でありたいと望む」と書いてあって、どきっとしました。

本の趣旨とは違うかもしれないのですが、勝手な受け止め方としては「一定の環境で、一定の刺激を受け続けた人は、一定の決断をすることしかできない」ということになるのではないかと考えました。「洗脳」に近いことが、日常的に行われているというのが現実社会ではないかとすら、思ってしまいます。

人生計画とは何か

そこでいくと人生計画とは、自らを置く環境やこれから出会う人、受ける刺激といったことを「自分で選ぶ」ためのツールなのかもしれません。人生はエンジンで進む船のように、放っておけばどんどんどこかに向かって進んでしまいます。その船の舵を、意志をもって切るという行為、それが人生計画なのでしょう。

「人生計画を作ろう」と思えるか思えないかすら、あらかじめ今までの環境で決まっているとしたら、人間には自由意志は全くないということになるのですが、私はそこまでの決定論者ではありません。ただ自分も含めて人間とは惰性に流れやすい、弱い生き物だとは思っているんです。

短期的な視野で行う「日々の決断」には、自分で思っている程に自由意志が及ばなくて、長期的な視野で行う「人生計画」には自由意志が及ぶ範囲が大きい。短期の意思決定は動物的であり、長期の意思決定は人間的であることから、それはいえると考えます。そこにかろうじて、自由意志が残っているのではないかと。

自由になるために人生計画が必要なのか

なので、結論としては人が「自由になるためには長期的な計画が必要」です。もし問いが「人間は自由にならなくてはいけないのか?」ならば、答えはノーです。ただ、人間はなぜか「自由になりたい」と願ってしまう生き物なのです。もしあなたがそう強く思ってしまったのなら、そこに向かう努力をするべきでしょう。

残念ながら私も、「自由になりたい」という願望が他の人よりも強いようです。そして考え抜いた結果、サラリーマンでは自由になれないという結論に達しました。より良い刺激を受け、より良い意思決定をしていくためには環境を変えなくてはならず、そのためには快適な環境を一度、捨てなければならなかった。

それが、より良い人生を生きることに繋がるという判断です。会社という環境に所属していながらそういう判断ができたのは、大量に本を読んだりセミナーに出るなどして人の話を聞いたり、意識して外部の刺激を取り入れていたからでしょう。それでもやはり、会社を辞めて一気に視界が広がった気がします。

自分は人生計画などなくてもその場面ごとに正しい判断ができる、というのはちょっとした「思い上がり」だと思います。例えば脳の仕組みを知れば、自分はそんなに賢くはないのだということに気付くことができるかもしれませんよ。夏休みの宿題として脳の本、いかがでしょうか。それでは、また。