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信用の器 フラスコ

最愛の息子が骨肉腫になったとき

長期的な視点であなたの夢を目標に変えて実現する、人生計画マスターコーチの安田修です。

「う〜ん・・・ひざ関節の裏に、腫瘍のようなものがありますね」

ずっと「足が痛い!」と騒いでいた息子をようやく病院に連れていき、まさかの診断を受けたのは昨年末のこと。部位と症状、年齢からは最悪の場合は骨肉腫が疑われる。そこから、運命は大きく動き出した・・・。

ことの経緯

子供が膝小僧を擦りむいたり、走り回って足が痛くなったりするのはよくあることです。うちの息子はサッカーもやってますし、走り方を習っていたりもします。その上、ちょっとどこか痛いと「痛い痛い!」と大げさに騒ぐタイプ(これは完全に父親から受け継いだ性質)なので、その時も「狼と羊飼い現象」が起きていました。

「足が痛い!」と言っていても頑張ってサッカーをやったりしていたので、まあ大丈夫かなと。しかし段々痛みが増してくるようで、ついにはまともに走れなくなりました。ここでようやく病院に連れていき、良くわからないということで何回も通い、診せに行くたびに大きな病院の専門的な先生が出てきて、精密な検査へと進んで行きます。

もう最終段階、大ボスです。大学病院から来た(恐らくガンの)専門の先生の発言が上記なので、両親が青ざめるのも何となくご想像頂けるでしょうか。さすがにネットで「骨肉腫」をググりましたよ。こういうとき、症状が当てはまっているように思えるものなんですよね。「最悪は肺転移で、死に直結することもある」なんて書いてあります。

『聖の青春』を観て

トントン拍子というのも変ですけど、そんな感じで「次の検査でもし悪化していたら検査入院」という段階まで行ったんです。こういう検査って、1日も早くやって欲しいと思う反面、悠長に経緯を確認するということは即最悪の診断ではないという希望もあり、生殺しの2週間を過ごしたんですよ。心配でも、何もできません。

で、一人で映画を観に行ったんですよ。『聖(さとし)の青春』っていう、実在した村山聖っていう将棋の天才を描いたお話です。村山さんって羽生さんにも匹敵する棋力の持ち主だったんですけど、幼い頃からネフローゼっていう腎臓の難病を患い、最後は膀胱癌で死んでしまうんです。縁起でもないですけど、息子と重ねたりして。

村山さん、体調が悪いのに将棋の対局を優先させるんです。美談でも何でもなくて、「どうせ死ぬなら」という破れかぶれの気持ちもあったと思います。安静にして何年か寿命が伸びたとしても、何の意味があるのだろうかと。人は遅かれ早かれ死ぬのだから、自分にも息子にもこれは当てはまることだな、なんて考えながら。

最悪の場合でも、闘えば良い

映画の感想はこの記事の本筋から外れますからこれくらいにして、そんな風に誰にも言えずに悶々と悩んで「たとえ最悪のケースだとしても、この子と一緒に闘うしかないな」という結論に達しました。息子が病気になってしまったら、人生の長期計画もビジネスプランも優先順位もクソもない。ただ全力で闘うだけなんだと思ったんです。

手段なんて選ばないですよ。正直に言えば、地球なんかより息子の命の方がはるかに重いですから。必要であれば犯罪だって犯します。人を騙してお金を稼ぐこともするでしょうし、土下座して助けてくれる人がいるなら平気でします。人生計画フォーラムは、「息子くんを救う会」に作り変え、いくらでもお金を集めてみせる・・・。

そしてクラウドファンディングへ

散々引っ張っておいてあれですけど、結論としては息子の足は何でもありませんでした。安静にすることで徐々に回復して、「なんかちょっと骨の形が個性的ですけど、腫瘍ではありません。大丈夫でしょう」ということになりました。念のため数ヶ月寝かせて、完全に痛みが引いた今、ようやくこれを書けるようになりました。

振り返って何が教訓かと言えば、息子が難病になった時と比べたら、いかに生ぬるい気持ちでビジネスをやっているかということです。犯罪は論外ですし人を騙してはいけないとしても、自らのビジネスに対する取り組み方は「絶対に成功させる!」という気迫が、足りないように感じてしまいました。まだまだ、やれることはあるなと。

そのひとつが、クラウドファンディングです。「救う会」ではないですが、1件ずつの金額は小さくても多くの人の力を結集すれば大きな金額となり、大幅な時間を買うことができます。10年かかることを、1年でできるかもしれない。100年かけて自然に変わるはずの世界を、意志を持って10年で変えられるかもしれません。進化を早めるんです。

誰もが自分の頭で考え、自由で好奇心に溢れた世界。夢を目標に変えて実現する世界。長期的に考え抜き、人生を選べることが当たり前になる時代がいずれはやってくる。それは確信しています。それを、時間を買うことでこの手で実現させたいし、この目で見たいんです。今回のクラウドファンディングは、そういうことです。それでは、また。