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自称「良い投資」商品を扱う人が良く言う7つの嘘

長期的な視点であなたの夢を目標に変えて実現する、人生計画マスターコーチの安田修です。

私は日本生命で10年以上、投資に関係する仕事をしてきました。その経験を踏まえて「『良い投資』なんてない。リターンの高い投資は当然にリスクも高い」という結論に達していますが、世の中には「良い投資」を勧める人がたくさんいます。フォーラム内のルールをどうしようかなあと考えながら、書きます。

前提として「良い投資」商品なんて存在しない

最初に身もふたもないことを言いますが、世の中に「良い投資」商品なんて存在しません。資産運用では人生を逆転させることはできないという記事でも書きましたが、リターンの高い商品には必ずそれに見合ったリスクがあります。どんな投資対象でもそうですし、投資手法でも同じことです。そして、投資を勧める人はこんなことを言います。

1.世には怪しい投資商品が溢れているが、これだけは違う

自分は多くの投資商品を見てきて、これにたどり着いたと。「怪しい投資の話はたくさんあるけれども、これだけは本物だ。他とは全然違う」と。これはまあ当たり前の話ですが、怪しい話を持ってくる人で自ら怪しいと自己紹介をする人はいません。商品についても同じことで、「怪しくない」と言うのは何も言っていないのと同じことです。

2.お金持ちだけが知っている特別な情報がある

そして話はこう続きます「一般庶民が知ることのできるのはカスみたいな情報ばかりであり、一部のお金持ちや特権階級だけが入手できる圧倒的に優位な情報、確実に得をする案件がある」みたいな。これ、本当にあったとしてもあなたのところには来ませんし、本当なら違法なインサイダー情報ですし、実際にはそんなもの、ありませんよ。

庶民が投資をすることができない投資対象というのは、あります。例えば一口1億円のヘッジファンドへの投資はできませんが、それは普通の人にはそんな金額が出せないからと、高いリスクを取りきれないからです。期待できる利回りが20%あるとしたら、マイナス20%になる可能性も相当高いんです。2千万円を失うの、普通はきついでしょ。

お金持ちや機関投資家はそういうリスクが取れるんです。投資ポートフォリオ全体でリスクとリターンをコントロールしているので、全体で預金金利よりは高いリターンを安定して取れる運用はできるんですよ。それでもせいぜい、年間で数%ですよ。それすらこのゼロ金利下では難しいので、約束できる金利は1%とかなんですよ、実際。

3.大成功してお金持ちになった人が教えている

そして、聞いてもいないのに「なぜそんな話をわざわざ持ってくるのかというと、主催者が大成功した人で、社会貢献でやっているんです」と話が展開します。もうね、そんなの絶対嘘ですよ。そんな人が、わざわざ紹介料を支払ってまで投資する人を探すはずがないじゃないですか。投資して稼いだお金で慈善事業をするだけで良いですし。

4.成功者がたくさんいて、実際に会った

これも同様です。「何人かの成功者に実際に会って話を聞いて、確信したんです」みたい話になるのですが、そんなの何とでも言えますからね。わざわざ成功者が何人もあなたに会ってくれて、成功した話を聞かせてくれる時点で相当おかしな話だと考えなくてはいけません。会った場所は相手の服装、話の内容は判断基準にはなりません。

 5.投資はきちんと学べば、確実に勝てる

これも本当のような嘘の話で、確かに投資を勉強することは必要です。しかし、しっかり勉強した結果わかることは「投資の世界には必勝法や、リスクを抑えて大きく勝つ方法は存在しないんだな」ということのはずです。むしろ大切なのはリスクコントロールであり、大きく負けないことを学ぶことに意味があるんです。それでも、投資とは尽きるところマーケットを相手にしたギャンブルなので、負ける時には普通に負けますよ。

6.すごく簡単で、シンプルなメソッドである

不思議なことに、投資手法を売っている人は口を揃えて「詳しい方法は説明できないが、とてもシンプルな方法なので誰でも理解できる」と言うんですよね。「素人の自分でも理解できたから、誰でもできる」と。確かに投資手法を販売している人って投資に関する知識がびっくりするくらい不足しているので、きっとシンプルな手法なのでしょう。

7.でも自分はまだ資本がないので投資していない

そして、「あなたはどれくらい投資をしているのですか」と聞くと、ここだけ本当のことを言ってくれることが多いです。「自分はまだ資本がないので、投資は(少ししか)していない」と。多くの場合、悪い人ではないんですよね。きっと、1〜6も心から信じているんでしょう。だからこそ、この質問にも正直に答えてくれるんだと思います。

ファンドマネージャーが私財を投入していないファンドは、お金を集めることはできません。それと同じように、「この商品は本物だ!」と信じているなら、借金してとまでは言いませんが、全財産を投入しているくらいでないと嘘ですよ。逆に、そこまでではないのに他人には胸を張ってお勧めできるというのが、私には不思議でなりません。

いくら話を聞いても、結論は変わらない

投資商品を扱っている人にはきちんとした人も多いので、お話を聞く機会はあるのですが、例外なく上のようなことで「辻褄が合わない」という結論に至ります。まあ単に私がまだ、「本物の投資商品」に出会っていないだけなのかもしれませんが。理性と拙い経験から知る限りでは、そんなものはないと考えているんです。それでは、また。