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信用の器 フラスコ

誰にも負けない強みなんてない

夢とお金の専門家、シナジーブレインの安田 修です。

起業のネタを考えている時に、せっかく面白いアイディアが浮かんでも、ある考え方に邪魔されて、勝手に諦めるパターンが多いように思います。それは「あなただけの、誰にも負けない強みはありますか?」という考え方です。

USPという考え方

ずっと、多くのコンサルの方が仰る「あなただけの、誰にも負けない強み」という表現に違和感を持ってきたのですが、実はそれは、「USP」の誤訳・誤解なんじゃないでしょうか。そもそも、USPの提唱者であるロッサー・リーブス氏は、著書の中でUSPを以下のように定義しています。

USP(Unique Selling Propositon=独自の売りの提案)

1.広告は顧客への提案でなければならない:単なる言葉の羅列や宣伝文句ではなく
「この商品を買えば、こういう利益を手にする」と伝えるべきだ。

2.その提案は独自のものであること:競合が同じ提案をできない、あるいはしないもの。

3.提案は強力であること:大衆を動かす力がある提案をする。

いかがでしょうか。リーブスさんは、「誰にも負けない」とか、「世界で唯一の」とまでは言っていませんよね。独自の、という意味は単に「競合が同じ提案をできない、あるいはしないもの」です。つまり、競合が敢えて同じポジションを取らないような提案を先にしてしまえば、それで優位に立てるんだということです。

「誰にも負けない」なんて必要ないわけです。「あなたとコンビにファミリーマート」と言ってしまえば、ファミマがセブンイレブン以上に顧客とコンビなのか(?)どうかは問題ではないわけです。「爽やかになるひととき」はコカコーラであり、仮にペプシの方がより爽やかであったとしても、それは関係無い訳です。

これらはほぼ純粋にキャッチコピーなのでUSPとは少し違うかもしれません(USPの事例としては30分でお届けドミノピザが有名)が、言いたいことは伝わるでしょうか。つまり、USPとは他社を圧倒する強みを持つ必要はなく、他社と異なる独自の提案でありさえすれば良いのです。

プロと呼べるレベル

そして、ある分野で勝負をしようと思った時に、「その分野であなたはプロですか。例えば本が書けますか」と問われて、「いやまあ、一応プロだけどサラリーマンとしてやっているだけだし、もっと凄い人はたくさんいるので本なんてとても・・・」となるわけですが、ちょっと待って下さい。

一般的に、サラリーマンは、自分の能力を過小評価しています。例えば私の場合だと、プロジェクトファイナンスやストラクチャードファイナンスに関しては社内では第一人者だったわけですが、「でも、外資系の金融機関とかメガバンクにはもっと詳しい人がたくさんいるし・・・」と尻込みをしていました。

ところが、そういうレベルの人達はわざわざ初心者向けの本を書いたりしないので、切り口によっては本が書けるんです。世間から、第一人者と認識してもらうことも可能です。まあ、本当の第一人者の人達に見られると恥ずかしいのですが、わざわざ見ませんよ、そんな本(笑)。

なので、しっかりと仕事をしているサラリーマンは自分が思っているよりも広い分野で、切り口によってはプロを名乗ることが可能なんです。

同じようなものがあったら、誰から買うか

更には、「誰にも負けない」という強みが必要ではない理由の一つとして、我々は全てのサービスをわざわざその分野のトップの人から買っているわけではないということがあります。マッサージを受けるのに、日本一の技術を持っている人を探しますか?家の近く、会社の近くにある、ということが既にUSPなんです。

誰にお願いしても良いという中で、せいぜい近くにある方が良いとか、せっかくだから知り合いに頼んでみようかなとか、そんなレベルで大部分のビジネスは動いている。コンサルなんてその典型で、日本一のコンサルを金に糸目を付けずに雇うなんて人は少数派ですし、そんな人と取引をする必要はないんです。

なので、プロとして満足して頂けるレベルにまで自らのサービスを高めたら、マーケティングを含めて多くの人と接点を持つことで、コンサルを始めとする多くのビジネスは成り立ちます。「誰にも負けない強み」なんてあればそれは良いですが、なくても何とかなるでしょうという話です。

売上高1兆円の企業を作ろうと考えているなら別ですが、「食べていける」程度のビジネスは、そこまで気負う必要はないのではないかな、と私は考えます。

結局、動いた人が勝ち

なので、自分のビジネスモデルが世界一になるまで何も行動をせず、ひたすら研ぎすますなんてことは、バカバカしいです。もちろん、「何も考えなくて良い」とまでは言っていません。ある程度は戦えると思えるフィールドを決めたら、まずは動いてみてはいかがでしょうかということです。

理屈の上では正しいと思っていたビジネスモデルがうまく機能しないなんてことは、良くあることです。早めに動き出していれば、修正もできます。変にビジネスモデルに確信を持ってから動くとこの修正が機動的にできないので、むしろマイナスです。走りながら、考えましょう。それでは、また。