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自営業者と会社経営者の違い

夢とお金の専門家、シナジーブレインの安田 修です。

先日、妻がママ友に私のことを「自営業者」になったと説明していることが発覚しました。いやいや、「夫の仕事は会社経営です。従業員はいませんけど(笑)」というのが正解だよ!という話です。

どこで見分けるのか

妻の間違いをドヤ顏で指摘してはみたものの、自分もちょっと前まではその違いを意識していなかったよなあ、というのが記事を書こうと思ったきっかけです。皆さんも、それほどはっきりとこの違いを認識していないのではないでしょうか。特に、自営業者(個人事業主)って何だか、ふわふわした概念ですよね。

まず、Wikipedia先生に聞いてみましょう(太線は筆者)。

個人事業主(こじんじぎょうぬし)は、株式会社等の法人を設立せずに自ら事業を行っている個人をいう。 一般には自営業者ともいう。 事業主一人のみ、家族のみ、あるいは少数の従業員を抱える小規模の経営が一般的だが、制限はなく、大規模な企業体を経営することも出来ないわけではないが、多くは小規模なものである。 雇用されている者(サラリーマンのこと)は個人事業主ではないが、継続的な請負(下請)や納入をする業者、代理店など、雇用でない契約によって他者の事業に従属する者はあくまで独立の経営であり、それが法人でなければ個人事業主である

ということですな。冒頭で、「夫の仕事は会社経営です。従業員はいませんけど(笑)」と書きましたが、従業員を雇っているかどうかは自営業と法人を分ける違いではありません。従業員を雇わない法人もありますし、個人事業主として従業員を雇うことも可能なわけです。

生命保険会社だと、販売員のおば・・・レディの方々も皆さん、個人事業主なんですね。会社と、雇用以外の関係を結んで仕事をしている人は個人事業主なんです。で、会社を作ったら法人、会社経営者なんです。それだけの違いです。

見分け方は簡単で、名刺を見てそれに「株式会社◯◯」とか、「合同会社△△」という名前になっていたらそれは法人です。前か後に「株式会社」と付いていない株式会社はありませんし、逆に株式会社と付いているそれ以外の形態の会社はありません。両方とも例外は違法ですので、罰せられます。

「◯◯事務所」とか「△△コンサルタント」という名前だったら、ああこの人は個人事業主としてやっている人なんだな、と思って下さい。だから良いとか悪いということではありません。ああそうなんだな、という程度の話です。

税制上はどちらが有利?

法人になった方が税制上は有利だろうと思っている人が多いと思いますが、実際にはそこまで劇的な効果はありません。確かに、所得税の累進課税は最大税率が37%と高いこと、法人税は徐々に下げていく方針が出ていること、また役員報酬による所得の分散、等で多少は法人の方が安くなるかな、という程度ですね。

「法人成りすれば消費税の納税義務が2年間免除されるのがメリット」と書いてある本もありますが、個人事業主として2年間引っ張ってから法人成りした方がそこのメリットは得られるので、やはり単純に法人が有利ということでもありません。

一方で、安くなったとはいえ設立費用もかかりますし、社会保険料の負担、外形標準課税、会計等の義務が増えるなど法人化のデメリットもそれなりにあります。手間を考えると、法人化するデメリットの方が多いかもしれません。だから、世の中に個人事業主の人がこんなにたくさんいるんですね。

その他に違いはあるか

では、法人化している人はなぜそうしているのかという話になりますが、税制上のメリットよりは社会的な信用を得るために法人化しているという要素が大きいように思います。大企業と取引をしたり、様々なサービスを使う際に、法人であることが要請されることがあります。

事務所を構えて登記をし、法人専用の銀行口座を開き、株式(合同・合資・・・)会社を名乗ることで信用は増します。金融機関からの資金調達もやりやすくなるでしょう。これは私の感覚ですが、個人の方を相手にビジネスをするときでも、株式会社を名乗った方が信用を得やすいように感じます。

株式会社といっても特にお金を持っているわけでもないですし、むしろ有限責任なので倒産したときに資金を回収できる可能性が高まるわけではないのですが、まあ複雑な手続きを経て、帳簿もしっかり持っている「ちゃんとした会社」という風に看做されやすいということでしょうね。

結局、どちらが良いのか

なので、今まで述べてきた点を踏まえて、個人事業主か法人か、好きな方にしたら良いんです。私としては、資金が許すなら株式会社を設立することをお勧めします。安く済ませるなら合同会社という手もありますが、社会的信用を得るために法人化するなら、やはり株式会社が一番です。

経済合理性を追究するなら、しばらくは個人事業主として事業を育てて、大きくなってきたら法人化するというのが賢い方法ではあります。当たり前ですがみんながみんな、最初から法人化する必要はないということですね。何かの参考にはなりましたでしょうか。それでは、また。