「学ぶ」「教える」「成功する」。誰もが「信用の器 フラスコ」を持ち、育てて、つながる10万人のコミュニティ・プラットフォーム

信用の器 フラスコ

「勝てるビジネスモデルができたら起業する」のは「のび太理論」だ

人生計画であなたの夢を目標に変えて実現する、シナジーブレインの安田修です。

起業を目指す人の中でも、わりと良い会社にお勤めで、若くて優秀な人に多いのが「自分はビジネスモデルで勝負します。コーチ・コンサルや士業でフリーランスみたいなことをするつもりはありません」という発想です。多分こういう人はなかなか起業しないと思いますし、起業してもすぐにはうまくいかないだろうと感じます。

あらかじめ考え抜くことは良いこと

確実に言えるのは、「アイディアもお金もないけど、起業をするから会社を辞める!」という発想と比べたらこれははるかに健全な考え方だということです。きっと、社内でもそれなりに評価されている人なのでしょう。確実に勝てるなら起業も良いかな、というくらいのポジションをとっているだけなのかもしれません。

会社での仕事を一所懸命にやっているうちに世界が広がり、何か業界のスキを突くようなアイディアを考えつくこともあるかもしれませんね。そういう意味では、常に何かないか考えながら今の仕事を頑張るというのは、若いサラリーマンにとっては良い選択肢です。何も考えずに頑張るより、得られるものも増えるでしょう。

「泳げるようになったら海に行きます」

でもこれは厳しい言い方をすると、起業をするという前提から見ればドラえもんに登場するのび太の「泳げるようになるまで海に行かない」という発想と同じです。せめてプールにでも行っていれば良いのですが、家と会社の往復をしているだけであれば、いつまでも泳げるようにはならないでしょう。

言ってしまうと、世の中の誰も思い付いていない画期的なアイディアなんて、ほとんど存在しないんです。あなたがノーベル賞級の学者だったら話は別ですが、そうでないのなら「必ず勝てる」ビジネスモデルで起業をするということはまずありえません。頭の中で考えているだけでは、絶対にそこには到達しないんですよ。

フィードバックのループ

成功している企業の多くは、実は最初はシンプルな発想でスタートしています。ソフトバンクはソフトの卸売りからスタートしていますし、インターネット系企業の多くは他社のホームページ製作や広告、Amazonや楽天はインターネットでモノを売るビジネスですし、Appleやマイクロソフトだって最初は一台のパソコンをどうやって売るか、というところから始まっています。

他にも、それこそ行商みたいなことから身を起こした経営者も数知れませんし、今だとコーチ・コンサルから養成塾といったかたちでコンサルのコンサルとして成功している人も多いですよね。素晴らしいビジネスモデルを持っている会社の社長にお話を伺えば、「実は最初は日銭を稼ぐためにこんなことをしていた」という話は必ずと言っていいほど出てきます。

そうやってお客さん、つまりマーケットと直接向かい合うことで多くのヒントが貰えて、そのうちに協力者も増えて商品力も付いてきて、「もしかしてこれとこれを組み合わせれば勝てるのでは?」という思いつきでビジネスモデルが完成する、そういうプロセスこそが勝てるビジネスモデルの発想法なんだと思うんです。

私の場合は

私もサラリーマン時代に1年くらいかけてかなりじっくり考えて、「勝てるビジネスモデル」を引っさげて起業をしたつもりでしたが、最初は全然うまくいかずに試行錯誤の1年間を過ごしてきました。貯金があったのでなんとか軌道に乗るまで耐えられましたが、まあある意味ここは想定通りですね。

基本線はコーチ・コンサルで「食べられる」レベルにはすぐなるだろうと思っていたのですが、これが予想を遥かに越えて難しいんです。スキルとかそういうことではなくて、ビジネスとして安定させるには集客の仕組み、とりわけコミュニティを作ることは必須だとかなり早い段階で思い至りました。

「コーチ・コンサル」という自らの肩書きに違和感を持つようになり、書いていたブログが評価され「ブロガー」だと思われたりもしましたがそれもしっくり来ず、コミュニティの運営者はかなりやりたいことに近いと感じつつ、走りながら考え抜いて、1年以上かけてようやく「コミュニティのプラットフォーム運営」という今の発想に辿り着きました。これですらまだ実験段階にありますし、最終ゴールではないのかもしれません。

「本当の強み」は自分では気がつかない

コミュニティのプラットフォーム運営が「天職かもしれない」と私が感じているのは、強みとの関係もあります。私は世間からは器用と思われているかもしれませんがかなり不器用で、できることとできないことがはっきりしています。人の集まるパーティーで社交的に振る舞うこともできませんし、ましてや「カリスマ的なリーダーシップを発揮する」なんて致命的に苦手なことです。

そんな私が、コンサルタントやコーチ、ブロガー、コミュニティの運営者としてマーケットと対峙し、「モンスター」みたいなそれぞれの世界の第一人者の方々と戦ってみて、これは勝てないと思ったんです。いや食べていくとか、「一人前」くらいにはなれると思いますが、「超一流」にはなれないなと。

そして、ついに勝てる分野が見つかりました。私は社会人としてのキャリアをシステム屋としてスタートしています。財務志望だった私をシステム子会社に出向させた会社は、見ていないようで見ているんだなと恐ろしく感じます。私の最大の強みは、おそらく長期的な視点での論理思考、言い換えるとインフラ・プラットフォームを作る能力なんです。仕組みを考える分野なら、もしかしたら超一流になれるかもしれません。

希望をしてシステムから財務に移ってからは、その強みに気付かれないようにサラリーマン時代を過ごしていたように思います。やりたいことと得意なことは、違うんですよね。そのクセがいまだにとれなくて、自らの最大の強みに気付くまでに1年以上かかりました。このように、自分の強みって案外、自分では気付かないものなんです。

なので、マーケットにアイディアをぶつけてそのフィードバックを得て、悩み苦しんでまた新しいアイディアを捻り出すというサイクルは、勝てるビジネスモデルを作る上で大切なんですよ、というのが言いたかったことです。すみません長くなりました。それでは、また。