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信用の器 フラスコ

それでも良い大学を出て、大企業に入るのは間違っていない

長期的な視点であなたの夢を目標に変えて実現する、人生計画マスターコーチの安田修です。

私は「優秀な人は起業をしたら良い」と思ってはいるのですが、「就職活動なんてクソだから、どんどん学生起業をしなさい。大学なんて行かなくて良い」とは思っていません。良い大学を出て、大企業に就職すること自体は正解だと思っているんですよね。ベンチャーでも中小でもなくて、大企業に就職!です。

社会のルールに逆らうのが正しいとは限らない

私は日本の教育システムには問題点がたくさんあると思いますし、新卒一括採用の就職活動戦線が気持ち悪いとずっと思っています。それこそ、子供の頃からです。最近では情報が溢れているので、そのおかしさに若い時から確信を抱く人が増えていると感じます。結果として、「社畜には絶対ならない」「就活なんてしない」となっています。

大人の側でも、「就職なんてしなくて良いから起業しろ」とか「一人前になるのに10年以上かかる大企業なんて行くな、ベンチャーに行って早く成長しろ」なんていうメッセージを発している人がたくさんいますよね。私はこれ、ポジショントークだと思います。じゃなかったら本当にモノゴトが見えていない人なのか、無責任な発言だなあと。

今のルールに従うにしても変えるにしても、入れるならできるだけ良い大学に入っておいた方が良いし、新卒で大企業を経験しておいた方が良いですよ。これは間違いありません。

大企業で学べることはとても多い

良くも悪くもまだまだ、この社会は大企業を中心に回っているんです。あなたが受け取る情報、享受するサービス、使っている商品、全て大企業が作って世の中に供給しています。ちょっと大げさにいうと(でも決して嘘ではなく)、法律とか道徳とか、この世界のルールを作っているのは大企業です。資本主義っていうのはそういうことです。

そういう大企業を倒す!っていうのはかっこいいですが、倒すにしてもまずは敵のことを知らないといけないと思います。緻密なルール、資本や看板の力、高度な政治・官僚システム(いずれも皮肉ではなく)といったものを大企業で十分に学んでから、社会の歪みを見つけてベンチャーなり起業なりでその歪みに挑めば良いと思います。

ベンチャー企業や中小企業に行ったり起業をしたりするのは後からでもできます。大企業に入るには一部例外を除いては、良い大学を出た直後の「プラチナチケット」を使うしかありません。まずは大企業に入って、それから挑戦です。順序が逆になると、難しいですから。そのために良い大学に行く。ここまでは間違ってないんです。

行けないヤツはダメ、ということではない

言ってしまうと大学受験も新卒一括採用も、ゲームのルールに過ぎませんから。くだらないけれど、そういうルールならいったんはその上で戦って勝っておきましょうか、っていうことです。ルールを変えるだけの能力があるのなら、どんなルールでも一応、勝てるはずです。だってそのルールを知り尽くした上で、変えるんでしょう?

そうは言っても、既存の枠をはみ出した天才っていうのはいるんだと思います。そういう人に対しては私は何も言いません。だって、どうやったってその人は成功するんでしょうし、他人からのアドバイスなんて必要としていないと思いますから。私がお役に立てるとしたら、努力が成功の前提になる「普通の人」に対してだけです。

そういう人が溢れる情報に惑わされて、勉強をやめたり安易にベンチャー就職や起業を選んだりするのは、あまりにもったいないと思うんです。精一杯努力した結果として、良い大学や大企業に入れなかったとしてもそれを責めるつもりも全くありません。その後も、努力を続ければ良い人生になると思いますよっていうだけのことです。

選べる人生を手に入れるためには

残念ながら、大企業に入りさえすれば老後は悠々自適で幸せになれる、なんていう時代はもうとっくに終わりました。いや、そんな現実はなかったのではないかと疑っていますが、少なくともそういう幻想がかつてはあったということだと思います。幸か不幸か今の時代は、考え抜き、努力を続ける人間しか幸せになれないんです。

何か飛び抜けた才能がある人はそれを活かしながら、ない人も自分の武器となる個性を良く考えながら、考え続けて次々と仮説を立て、行動し続けることが大切です。選択肢は多ければ多いほど良い、とまでは言い切れませんが、あえて自分から減らすことはありません。先延ばしだって悪くありません、考えることを止めさえしなければ。

考え続けて、試行錯誤を繰り返し、より自分が納得できる場所へ近づけるように努力を続ける。私はそのプロセスそのものが、幸せというものの正体なんだと考えているんです。お金持ちかどうかとか、社員や部下が何人いるかとか、そういう結果としての到達点って実はあまり、幸せとは関係ないと思うんですよね。それでは、また。