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信用の器 フラスコ

これからの時代、起業が当たり前になる5つの理由

夢とお金の専門家、シナジーブレインの安田 修です。

起業支援は、一般に「儲からない」と言われています。起業家はお金がなく、その数も決して多くはないからです。ただ、私はこれから先、国内での起業は大いに盛り上がる(お金を持っているかはともかく)と確信しています。

人口ピラミッド問題

私が大企業で15年働き肌感覚として確信に至ったこと、これが「起業の時代」が訪れると考える最大の根拠です。大企業は高齢化が進み、若手への負荷が増している中、その働きに十分に報いることができていません。終身雇用、揺りかごから墓場までという手厚いサポートも、もはや期待できません。

また、マーケットが拡大せずに前向きな仕事は増えない一方で、コーポレートガバナンスやコンプライアンス、個人情報保護に情報開示、CSRといった後ろ向きの作業が増えすぎました。仕事の「効率化」が進んで人が減り、一人当たりの作業は増える。将来、それを補って余りある美味しい思いをできるという希望も持てない。

まだまだ解雇は難しいので、働かないおじさん達が多くぶら下がっている会社を少数の優秀な若者で支えている、この構造はもはや、長くは保たないでしょう。アンテナの高い若者は、既に大企業からは逃げ出しています。この流れは今後、より加速するものと予想しています。

情報コスト等の劇的な低下

仕事の「効率化」が進んでいると前述しましたが、情報コストの低下による効率化の恩恵は、中小企業や個人でも受けることができます。インターネット革命により、今や大規模なシステム開発をせずとも、PCとクラウドによりコストを殆どかけずに大企業と戦えるインフラを整えることができる

大企業はセキュリティを過剰に重視しますから、今や個人の方が優れたシステムを使うことすら可能です。投資情報についても、機関投資家と個人の間で大きな格差はなくなりました。情報を入手しやすいという大企業の優位性が、大幅に減殺されているのです。

規制緩和も進み、会社設立のコストも下がっており、30万円あれば株式会社を立ち上げることが可能な時代です。業種にもよりますが、自宅をオフィスにすれば固定費も殆どかからず、とりあえずは起業をすることが可能になっています。

マーケットの過熱と投資家層の拡大

アベノミクスがイケイケの政策をとっていることもあり、創業支援の補助金は出やすくなっていますし、日本政策金融公庫や民間の金融機関も貸し付けには積極的です。ベンチャーキャピタルやエンジェル投資家も増えてきていますし、鼻息は荒い状況です。起業マーケットは、ちょっとしたバブルになりつつあります。

この背景には日銀による量的緩和があり、お金が行く場所を失っているということがあるので、私は先行きに関して必ずしも楽観はしていません。むしろ、どこかでバブルは弾けるでしょう。ベンチャーを仕掛けるならそのリスクを重々理解しておく必要はありますが、少なくとも短期的には追い風であることは間違いありません。

女性とシニアの活躍ニーズ

これもアベノミクスが後押しをしていますが、同時に人口構造の変化から推察される、必然の流れでもあります。社会から働き手が減って人口ピラミッドが崩れているので、女性かシニアに活躍して頂くしか無い、というわけです。このニーズは上述の理由から大企業でより切実だと思いますが、対象の層で意識が高まれば起業も増えます。

女性の起業とシニアの起業に共通しているのは、ぎらぎらした野心はなく、「小さな起業」で十分と考えるケースが多い点です。気負わない分、数としては多くなることでしょう。サロネーゼ、年金中小企業診断士といった形で、既にその動きは始まっています。

成長の限界から社会的起業へ

もう一つの大きな流れとして、そもそも日本を始めとする先進国経済が成長を追っていくことは、もう無理だと思うんです。インターネット革命に続く大規模なイノベーションが起きない限りは、大企業が取っていくべきパイ自体が、もう増えない

人事制度などの仕組みで明らかなように、企業とは成長を前提とした存在です。時間の経過とともにポストが増えないと、人口ピラミッドの歪みが加速するんです。大企業が強者として存続できる条件が、マクロ的に崩れていると思うんですね。

大企業は成長できず、かといって倒産させるわけにもいかないので、全体の仕組みとしては小さな企業を無数に生まれさせ、成長するか潰れるか、そういう生態系を形作らざるを得ない。政府の創業支援というのは、どこまで考えているかわかりませんが、そういう方向性です。

更には、成長を前提としない起業も増えるでしょう。社会的起業(Social Entrepreneurship)と呼ばれているものです。直感的に成長の限界を感じている若者が、社会的な意義を全面に押し立て、隙間を埋める形で起業をするという流れです。これも、今後更に加速することでしょう。

 

以上のように、私はいずれ大企業中心の世界は崩壊し、起業家による緩やかな連携を中心とした世界に移行していくだろうと予想しています。

その大きな流れの中で、果たすべき役割が、自分にはあるだろうなと。それが起業の背景にあります。やや論理が飛躍しているのは自覚していますが、この流れは確信しています。皆さんは、どのようにお感じになられましたか?それでは、また。

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