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信用の器 フラスコ

ネガティブな感情が新しい世界を創造する

夢とお金の専門家、シナジーブレインの安田 修です。

世の中、とかくポジティブさがもてはやされています。「文句を言うな!口癖を変えろ!前向きになることを言ってポジティブ脳を作れ!」「とにかく一生懸命やれ!道は拓ける!」というような。私はこの論調、大っ嫌いだったりします。

引き寄せの法則の功罪

少し前、「引き寄せの法則」というのが流行りました。ごく簡単に言えば「あなたが強く望み、心の周波数を合わせれば、欲しいものは何でも手に入ります」という法則です。

もちろん私は、この法則自体は否定しません。会いたい人、欲しいもの、行きたい場所などは念じていれば叶うことが多いですし、私自身、「夢100リスト」を作ってこの法則を活用したりしています。これは、思いを言語化し、他人と夢を共有化する効果だという風に理解しています。

ただ、この引き寄せの法則と日本古来からある「言霊(ことだま)」が合わさり、「とにかくポジティブな発言が良い。ネガティブな発言は悪」というように、社会の雰囲気がなってしまっている気がします。アベノミクスもその典型で、問題点や破綻のリスクに言及するだけでも、叩かれる傾向がある。

これは、一種の思考停止であり、非常に危険な傾向です。なので当記事では、ネガティブ思考のプラス面(変な表現ですが)にスポットライトを当ててみたいと思います。

世界を変える、というのは今の世界に足りないものを創るということ

例えば、スティーブジョブズがMacやiPhoneを作るとき、原動力は何だったか。いくつかあるとは思いますが、大きな柱の一つが「現状への不満」だったろうと思います。今でもクリエイティブな、いわゆる「イケてるベンチャー」がやろうとしていることの多くは、世界の不足を埋める行為でしょう。

「なぜこんな、当たり前に思えることができていないんだろう」「どうしてこんなに不便なんだろう」「この人達が苦しむのを何とかできないだろうか」そういう発想で、新しい事業は生まれます。私たちが提供する「人生計画」も「サラリーマンはもっと好奇心に溢れ、自由になっていいはずだ」という原点からスタートしています。

シナジーブレインも現状に対する不満からスタートしています。優秀なはずのサラリーマンが、家族のために、会社のためにという言い訳をして自分の頭で考えることを止め、飼い殺しにされ、定年退職をして濡れ落ち葉になり、人生を犠牲にしないといけない現状の世界が、間違っているはずだという発想です。

もちろん、「それでも自分は幸せだ!生きてるだけで丸儲け!お日様ありがとう!」といってポジティブに活動することも可能です。しかし、時として不満から目を背けないことから、新しいことは生まれるのではないでしょうか。

面倒臭がり屋がモノごとを効率化する

仕事の効率化もそうです。効率化に向いているのは、ポジティブな頑張り屋さんよりも、ネガティブな面倒臭がり屋です。「できるだけ楽をしたい」という思いが、その作業は本当に必要かという根本的な見直しの原動力になるのです。「とにかくやれ!」ではなく、「どうしてもやらないといけないのか?それはなぜ?」と考えます。

私はもともと身体が弱かったので、何でも楽をしようとするクセがあります。なので、作業の効率化は得意です(笑)。もちろん、徹夜をしてでもやり遂げるということは大事なことなのでしょうが、体力的にそれができないので、スケジュール管理を徹底します。結果として、コンサルに必要なスキルが身に付いていると自覚しています。

「少しでも楽をしたいというズルい気持ちが、人類をここまで進歩させてきた」と言うと、ちょっと大袈裟でしょうか。

「嫌だから」という理由で会社を辞めても良い

少し目線を変えて、起業を支援していて思うのですが、「嫌だからという理由で会社を辞めても、絶対に起業は成功しない」ということを言う人がいます。それは単なる逃げです、起業はそんなに甘いものではありません、と。

私はこの点、嫌だからという理由で会社を辞めても良いと考えます。辞めるというのは大きな行動なので、それだけの量の不満があるなら、それは力になるからです。そこまで追いつめられているのに、ただ耐え忍ぶということに、意味を見出すことの方が難しいでしょう。

むしろ「世の中の役に立ちたい」という理由だけで会社を辞める人の方が、よほど不思議だと思いませんか。何の不満も無いけど、会社を辞めますというストーリーの方に無理がある。不満はエネルギーになるので、特に行動を起こすことを決めてからは、目を反らさない方が良いですよ。

自分が苦手なこと、やりたくないことを理解する

先ほど「私は身体が弱く、面倒臭がり屋だ」と書きましたが、これはコンサルタントとしては武器だと思っています。カリスマ性とか人間的魅力に溢れているタイプではない(そうだったら良かったのにとは思いますが)ので、こうやって文章を書いて伝えようとする姿勢が身に付きました。短所は、裏返せば長所です

苦手なことを伸ばして人並みにするより、得意なことを徹底的に尖らせる方が早いですし、楽しいです。だったら、自分が苦手なことを知ることは、それ自体がプラスです。「20代は苦手なこと探し」とまで、言い切ってしまいましょう。で、30代から得意なことを磨いていけば良い。

苦手なことややりたくないことといった負の側面から、目をそむけないようにして下さい。克服する必要はありません。ただそれを直視して、理解すれば良いのです。それでは、また。