書店回りをしていて感じたこと
フラスコ代表、安田です。今は『「ひとり起業家」の高額商品の作り方・売り方』のプロモーションというか、挨拶の意味でPOPを持って書店を回っているんですけど、その中で感じたことをつらつらと書きます。
何をやっているのか
今、これをやっている著者がどれくらいいるのかはわかりませんが、何をやっているのかと言えば「POPを持って書店さんに挨拶に行っている」、これだけです。来週は関西にも行く予定。なおPOPというのはこれですね。
本にこういうのがついていたら、見つけやすくなりますよね。ちょっと気になって、読んでみようという気になる人も出てくるかもしれない。POPがあることで、平積みになる期間が少し延びるかもしれない。どれだけ効果が出るかはわかりませんが、やらないよりはマシですし、積み重なれば効果はあると僕は信じています。
お渡ししたからといって必ず展示して頂けるわけではありません。書店員さんは忙しいし、一説によると著者が来ると迷惑と感じる人もいるらしい。それでも、著者にできる数少ない打ち手として、やっておこうと思うんです。できるだけご迷惑をおかけしないように配慮しつつ、やれることはやるということですね。
どんなことを考えているか
書店回りをしている間は、そんなに考えるべきことはありません。東京だけでも書店はたくさんありますから、どんなルートで回ろうかなと事前に作戦は立てますが、あとは主要駅についたら「◯◯駅 書店」で検索して主要な書店に行き、POPを渡すだけ。ひたすら体力と気力の勝負です。「もう帰りたい」ってすぐ思います。
でも、「ベストセラーを出すにはとにかくいろんな書店に行け」と良く言われますし、そういう視点で書店を眺めるのもたまには良いな、なんて思ったりもします。どの分野が伸びているとか、今はどんな本が売れていて、またそこで人はどういう行動をとっているのかとか。そんなことをぼんやり考えながら動いています。
地域によって雰囲気も全然、違います。街から書店に入ったときの感じ、社会科学の本、さらにはビジネス書のコーナーに移動するとまた空気が変わったり。いちいちはっきり言語化はしていませんが、そういう情報が積み重なっていくことを楽しんではいます。
ビジネス書、特に起業本は・・・
それでまあ、一般的に言われている「本が売れない」「書店が減っている」というのは、全体としてはその通りだと思います。この街のあの書店がなくなってしまったのかとか、床面積が減っていると気づくこともあります。小さな書店はもちろん淘汰されまくっていますし、大型の書店でも増えているということは全くありません。
本屋に立ち寄る人も減っている。スマホでTikTokやNetflixが楽しめる時代に、本を読まなくなるのは当然の流れです。そしてその流れが元に戻ることはないでしょう。そして体感としてはビジネス書の面積は行くたびに減っていますし、中でも起業本というジャンル自体が書店からなくなっていたりします。めちゃくちゃ斜陽なところで戦っているな、と痛感しますね。
ちなみに、起業本や自己啓発本が減った代わりに増えている棚は、AI関係とお金本でした。ビジネス書の面積は漫画やライトな小説が占めているのではないかな、と感じました。データがあるわけではないので、体感で。
小さな書店だとビジネス書がほとんどない、ということも普通です。本当に売れた本しかそこには残れない。大きな書店でも『「ひとり起業家」の高額商品の作り方・売り方』も出たばかりなのでまだ面で置いて頂いていますが、その「入れ替え戦」は熾烈です。少ない面積を、たくさんの本が奪い合っていることを実感します。
書店で街を評価してしまう
あと、僕は金融機関で不動産関係の仕事をしていたことがあるからか、つい書店と街の評価を紐づけて考えてしまいます。この街は立派な本屋があるから、良い街だなとか。やっぱり東京や新宿は、それを支えるフラッグシップ的な書店があるんだよな。大きな書店が1つあると、街のレベルがぐっと上がる感じがします。
逆に人口の多い街でも、良い書店がないと残念な感じがします。あえて言うと、長い目で見たらそういう街は廃れていくのではないかとすら思ったり。これはかなりの偏見ではありますが、良い書店がない街に良い起業は本拠地を置かないし、知的な人は住まないと思うのです。暗黙に、心のどこかで僕は、本を読まない人を軽蔑しているのかもしれません。
そうは言っても本は・・・
「本を読まなくなった、書店が減った」と言われている中で、一方では「まだまだこんなにたくさんの本があり、書店があるのだなあ」とも感じます。本が好きな人は一定数いますし、100万部を超えるようなベストセラーもまだまだ出ます。著者の立場で言うならば、売れないのはその本に魅力がないだけ。シンプルにそれだけです。
世の中にAIが作った動画がいくら増えて溢れかえっても、その情報の洪水に、本を読むことで培った知性で立ち向かう人は必ずいるでしょう。本は、そして書店は、人類に残された最後の砦なのではないか。そんなことを感じたんですよね。
「書きたいことを書く」という、誤解を恐れずに言えば「売れなくても良いから」という、僕が作家を目指す上での最初の段階は、今回の本で終わりました。次からは作家として全く違った本を書きます。人類を救う、それくらいの崇高な使命感を持って、本を書き続けて行きたいと思います。全てが、変わる気がしています。










