あらゆる「嘘」は4種類に分けられる
フラスコ代表、安田です。フラスコは「自分にも人にも、誠実に行動する」を価値観としています。でも「嘘も方便」とか「優しい嘘」という言葉もあって、なかなか難しいところだなと思うのも事実。本気で考えるとなかなか深いテーマではありますが、今回はその辺りを少し考えてみましょう。嘘は、4つに分類できます。
自分に嘘をつく(-,+)
私がサラリーマンだった頃は、自分に嘘をついていました。家族のため、生活のために会社に滅私奉公することが、正しいことだと思っていたんですね。猛烈に勉強をして資格を取り、仕事を頑張って上司に認めれることで幸せになれるはずだ・・・そんな期待は、周りを見回せば間違っていることがすぐにわかるにも関わらず、心にフィルターをかけて、不都合な現実を見ないようにしていたんですね。
必死にやっているときは、自分に嘘をついていることに気がつくことができません。これはサラリーマンに限らず、起業家や起業支援の人でも同じではないかと思います。今の私だって、そういう要素がないとは言い切れません。そして、この嘘で傷つくのは、誰よりも自分です。会社や家族に迷惑をかけたくないという思いからつく嘘が、この自分につく嘘だと思います。
結果的には周囲にも迷惑をかけてしまうかもしれませんが、意図としては自分が犠牲すなわちマイナスとなることで、相手がプラスになって欲しいという嘘です。以下、4種類の分類はこのプラスマイナスによって分けています。
ひよこ喰い(+,-)
フラスコが防ぎたいのはこの「ひよこ喰い」です。起業支援と称して、ビジネスを始めたばかりもしくはこれから始める人を相手に、お金を騙し取る行為です。自分の利益のために相手を陥れる行為です。ここではほぼ詐欺と同意で使っていますが、実際には上述の「自分を騙している」タイプの人や次に出てくる「力不足」のケースもあって、必ずしも悪意があるわけではなかったりするのが難しいところです。
ある程度の経験を積めば、その人が言っていることが薄っぺらい一般論なのか深い経験に裏付けられて再現性のあるノウハウなのかは判断がつくようになってきますが、ビギナーの頃はそれは難しいです。美辞麗句を並べる人にころっと騙されてしまうのは仕方ないと思います。身を守るためにはすぐに高額商品を買わないことと、その人が一生寄り添ってくれる覚悟があるかを見極めることだと思います。
信頼できる可能性が高いのは、コミュニティを持って育てている人です。お金をもらったらさようなら、ではなくて「卒業」後もずっと寄り添ってくれる人かどうかは、コミュニティを持っているかどうかで一定、わかります。「審美眼」が身につくまでは、それを一つの判断基準にするのが良いと思います。
力不足による嘘(-,-)
悪意のない嘘は仕方ない、と言いたいところなのですが、これはまた判断が難しいケースです。力不足により結果として約束が守れず、相手も傷つき、自らも信用を失ってしまいます。起業をして初期の頃、やっと捕まえたクライアントさんから「私は成功できますか?」と聞かれたら「もちろん、私が責任を持ちます!」と言いたくなる気持ちはわかりますが、この対応が誠実なやり方だとは、私にはとても思えないんですよね。
結果が出るか出ないかはクライアントさんの方にも責任があることですし、また自分のできることとできないことをきちんと説明して「精一杯頑張るけれども結果は保証できない」とまではっきり言うかどうかは別にして、そこは明確にした上で仕事は受けないといけないんだと思います。結果、やっぱり力不足が露呈することはありますよ。そのときはきちんと非を認め、謝りましょうっていう話です。
方便としての嘘(+,+)
嘘を禁止して一番扱いに困るのが、この方便としての嘘です。「若く見えますね」とか「ご活躍ですね、すごいなあ」なんて、そんなに心から思っていなくても口にすることはありますよね。本音を言えば、私は個人的にはこれすらできるだけやらないようになりたいんです。なんだか、本当に思っていないことを口にしていると、言葉が少しずつ軽くなっていくように感じるんですよね。
私はキャラも割とぶっきらぼうというかそんなに社交的ではないので、これは実現できるかなと思っていたりもします。ただ、これを他の人に強制することはできないのもわかっています。ちょっとした嘘でお互いに気持ち良く関係性を育てられるなら、それはそれで良いかなと。フラスコの運営上も、さすがにこのタイプの嘘を問題にすることはありませんので、ご安心ください。
嘘をつかなくて良い世界
以上、嘘について考える手始めとして、(自分にとって,相手にとって)という軸でプラスマイナスの4象限でざっくりと嘘を分類してみました。意外とスッキリしていると思いませんか?で、フラスコではどんな嘘を「禁止」しているかというと、明記はしていませんが「相手が傷つく嘘」ですね。被害者がいない限りは問題になるはずがないので、それは当たり前ですよね。
ただ、自分に対する嘘や力不足のケースでお分かりの通り、悪意がなければ相手を傷つけることはないかというとそんなこともないので、注意が必要です。嘘の破壊力は高く、結果として信用を失うことも多いので、不必要な嘘はつかない方が良いと思います。誰だって、できれば嘘はつきたくないですよね。