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信用の器 フラスコ

AIの進化がすごすぎて、何でもできるけど何もできない

フラスコ代表、安田です。ここのところはAIばかり追いかけているのですが、知れば知るほどすごいし、日々の進捗が早すぎて追いつくことすらできません。新しい可能性は無限に広がりますが、その中で自分が何をすべきかは全く見えません。

自然言語処理に絞っても

まず私は流行にわりと鈍感というか、新しいものを夢中になって追いかけるというタイプではありません。これは性分でもあり、北海道の田舎に生まれたことも影響している気もします。世の中がやれWeb3だメタバースだと浮かれていても、視界の端でそれを捉えておけば良いと考えるタイプです。少し触ってみて、概念だけ理解しておけば良い、くらいの。

それが、今回はさすがにただごとではない、AIの進化を追わないと大変なことになると感じています。ただ能力的な問題もあり、AIを深く広く、全てを理解しようとすると膨大な時間がかかり、人生が何回あっても足りません。極端な話をすると、毎日発表されるAI関連の論文を全部読める人はもはや、誰もいないでしょう。

なので、AIの概念や基礎的な計算アルゴリズムなどはさらっと理解するにとどめ、最新ニュースは追うものの触ってみたりそれなりにきちんと理解するのは「自然言語処理」に絞ろうと決めました。絵画や動画、音楽といったところはごく浅くで良いので、言葉を使って何ができるか、どうしてできるかといった分野だけは自分なりにしっかり追おうと。それでも全然、時間が足りません。

GPT4が優秀すぎる

そういう意味ではChatGPT、GPT4の登場が完全にゲームチェンジャーになりました。GPT3.5までは「しょせんはAI」という気持ちがどこかにありましたが、GPT4になって一気に世界が変わるイメージが確かになりました。文脈を理解して、普通に会話ができる。まだ適当なことも言いますが、その知識レベル(「知性」とすら言えるかもしれない)は平均的な人間を凌駕する。

何か調べごとをするときにはやや便りないですが、要約や翻訳は抜群に早くてうまく、何らかの論点について項目出しをさせたら非常にバランス良くやり遂げる。どこかにありそうなレベルの簡単なブログくらいは、適切な指示さえ与えておけばものの1分で書き上げます。プログラミングのソースを作るのも得意です。逆にこちらに質問をさせるなど、AIに役割を与えることも可能です。

プロンプトと呼ばれる、AIへの指示の与え方をハックする人たちも現れました。誰か特定の人格になりきってもらったり、事前に情報を与えてそれをもとに回答させたり、自然言語とプログラミング言語の良いところどりのような複雑な命令を与えて、ChatGPTに思考実験をさせるような高度な使い方をする人たちが現れました。もうこうなると、私は完全には理解できません。

APIからプラグインへ

APIという、外部のプログラムからChatGPTにアクセスするときの決まりごとも公開されています。ここは開発母体がOpenAIという名前なだけあって、早い段階で外に向けてオープンにしてくれる感じです。GPT4のAPIも公開されていて、私も一応ウェイトリストに並んでいます。GPT4が使えるとしても、まだちょっと高いだろうからどうかな、とか思いつつですが。まずは触ってみないと。

ちなみにGPT3.5という前のバージョンベースでは、LINE公式に登録するだけでChatGPTにアクセスできるようにして、それにマスコットキャラクターのフラスコ君やコーチングをするコーチ君という人格・機能を載せたりする実験は既にやっています。こんな感じで「こんなことできないかな」と思いついたことが、前提知識はほとんどなくてもちょっと調べて実現できてしまいます。

少し前までは高額を支払って専門のエンジニアに依頼するか、自分でサービスを作るならプログラミング言語を勉強して、それをマスターしたらサーバーやクラウド周りの知識を調べて・・・と延々と調べて結局は挫折していたような機能が、あっさりと実現します。プログラミング言語のコードすらChatGPTに聞いたら書いてくれる。ものすごくハードルが下がっているんです。

UX/UIが全く別のものになる

「どんな機能でも自分で作れちゃうな」と思っていたら、GPTのプラグイン対応が公開されました。ChatGPTから連動して、外部のサービスが使えてしまう。例えば「明日のホテルとレストランを予約しておいて。条件はこれこれ」と指示を出せば、予約・決済まで全て自動的に完了するということが機能的には可能になります。まあ、怖いので途中で何回か確認して欲しいとは思いますが。

最初のプラグイン対応対象として、Zapierが入っているのがインパクトが大きいと思っています。使っている人は少ないかもしれませんが、ほぼあらゆるアプリがノーコードで連動できるというとんでもないサービスで、これだけでも工夫次第で「何でもできちゃう」という感覚はありました。まあ作り込むのがまだちょっと面倒だな、という面はありましたが。

その面倒さが、解消される。さらにフローの途中でユーザーと自然言語でやり取りをするというプロセスを入れることも可能。本当のマーケティングオートメーションが実現するという近い将来がはっきり見えて震えます。これが複雑なプログラミングではなく、自然言語での指示により実装できるという。いや、まだ理解が追いつきませんが、すごいことです多分これ。

何でもできるけど何もできない

インターフェースが自然言語なので、マウスはもちろんキーボードを叩く必要すらないんですよね。サービスを受ける側は口先だけで全てが完結する。サービスの種類によっては、画面で確認する必要すらない、インターフェースは超小型のマイクがあれば、足ります。そしてそのサービスの実装にすら、マウスやキーボードは必要ないかもしれない。

「これがインプットで、これがアウトプットのアプリケーションを作って」と言えば、ChatGPTとその支配下のサービスたちがささっと組み立ててくれて、最終確認だけすれば完成。となると、「アプリケーション」という概念を踏む必要すらありません。インターネット上でできることの全てがChatだけで実現できるので、ユーザーが直接指示すれば良いだけのことです。

そんな未来が確度高く訪れると予想される中で、自分が何を価値として提供できるだろうかと考えると「長期的には特に何もないのでは」と思ったりもします。まあしばらくは、過渡的なサービスを提供することで人の役には立てるかもしれませんが、いずれは淘汰されるなあと考えると、ちょっと虚しくなっちゃったりするんですよね。みなさんどうなんでしょうね。

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