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信用の器 フラスコ

オンラインサロンって流行ってるけど、ぶっちゃけこれからどうなるの?

フラスコ代表、安田です。今はなにか「猫も杓子もオンラインサロン」っていう感じで、まあバブルだなとは思うのですが、では3年後には誰もやっていないのかというとそんなことはないと思っていて、まだ自分の中では結論は出ていませんがその辺りのことを考察してみます。

まずはオンラインサロンに飛び込む

最近、私はオンラインサロン(以下サロン)の研究をしています。研究って言っても論文を書いているわけでもなんでもなくて、潜入調査です。人生計画研究会っていう自分のオンラインサロンの運営をしつつ、そこで頂いた会費を全額、他のサロンに潜入調査をするための費用にするという取り組みをしているんです。

まだそれを始めて2ヶ月目なのですが、それでもわかってきたことはあって、つまり「サロンって一口に言っても、中身は様々だな」っていうことです。はい、これが結論だと身も蓋もないですよね(笑)。

でもそれが事実です。今のサロンっていう言葉は、サブスクリプションつまり継続課金の仕組みっていうくらいの意味しか持っていなくて、その後のサービスはもうほんと、バラバラです。なのでまず、大雑把にでも分類することから始めてみましょう。思いつく範囲ではざっくり、4つかな。

ファンクラブとしてのサロン

プラットフォームによってはサービス自体を「ファンクラブ」と名付けているところもあるくらい、ある意味でこれが一番わかりやすいのではないでしょうか。芸能人やインフルエンサーの方を応援する人たちが集まって、その人のリアルな発言が見れたり、交流できたりする場です。あ、当記事では名前は出しません。

とてもわかりやすい形なのですが、結論から行けば一番危ういのがこの形なのではないかと思います。なぜかというとシンプルで、サービスとして実は成り立っていなかったりするからです。好きな人に声をかけられたら月1,000〜2,000円くらいは払っても良いかな、と思うものなのですが、その気持ちは長くは続かないんです。どうしても「これって何が対価なのだろうか・・・コスパ悪くない?」って考えるようになるんですね。

芸能人の方のサロンやクラウドファンディングに失敗する理由は、対価が何かとかそのサービスの本質は何かを考え抜くことがないままに「まあ自分のことを好きな人はお金を払ってくれるだろう」っていう感覚で安易に始めてしまうからなのだろうと思います。もちろん走り出してから、考えても良いんですけどね。

プロジェクト型のサロン

今インフルエンサーの方の間で主流になっているのがこれです。「私と一緒に(下で)プロジェクトを立ち上げて、良い経験をしよう!」っていう形です。はたからはお金を払ってタダ働き(笑)をさせられているように見えるので、「信者ビジネスだ!」って批判されることが多いですね。

これに関しては、オリンピックのボランティアとか何かの実行委員とか、お金を貰わなくてもあるいは払ってでも経験したい人っていると思うので、需要と供給がつり合っているなら良いのかな、と思いますけどね。

圧倒的に動ける人についていくことで、なんとなくその感覚がつかめるということもあるでしょう。やる気のある人とも多く出会えるかもしれませんしね。ただ、あまり長くいる場所ではないのかな、依存しないようにした方が良いかな、というのが個人的な感想です。行動できるようになったら抜けましょう。

メディアとしてのサロン

限定の情報を有料で買ってもらう、という感覚で運営されているサロンもあります。月何本か動画を配信したり、読み物として成立させることを目指す感じですね。有料のメルマガの延長にある考え方です。あまり金額を高くすることはできませんが、1,000〜2,000円なら成立しますね。

でもこれ、運営するのはかなり大変です。動画にしても文字にしても、月2,000円の価値を伝え続けるために使うエネルギーは膨大です。それでメンバーが数人だったりすると、数ヶ月で簡単に心が折れてしまうことでしょう。一気に数百人に参加してもらえるなら、頑張ろうという気にもなりますけどね。

教育の場としてのサロン

コンサルやコーチをやっている方が、クライアントさんを集めてグループコンサルをする感覚で運営するのがこれです。オンラインという名前が誤解を呼ぶのですが、グルコンはネット会議でなくても、リアルに集まる場でも良いんです。これで月3,000〜5,000円なら、やはり成立するのではないでしょうか。

発想としてサロンを「Facebookグループで作る」「LINEで作る」と考えてしまうと迷走しがちで、数十人とか数百人をすぐに集められる人でない限りは、軸足はリアルに置いた方が良いだろうと考えています。まずは月5,000円で20人、月額10万円の収入とかそんな感じですね。

なので普通の人にとっては「オンラインサロンで起業しよう、稼ごう!」という発想はそもそも、厳しいなと思います。サロンはあくまで信用の器なのであり、主力の商品は別に持つべきです。

これからどうなるのか

それぞれのモデルについて限界を中心に書いてしまいましたが、私はサロンの将来を悲観しているわけではありません。最初に書いた通り、オンラインサロンという言葉はサブスクリプションを言い換えているだけなので、はやりが過ぎればこの言葉自体は消えるかもしれませんが、継続課金の流れが止まるとは思えません。

今は混沌としていますが、淘汰の過程を経てそれぞれのモデルの良いところを組み合わせたハイブリッド型のサロン(と呼ばれた何か)が拡がっていくでしょう。特に、オーナー(と呼ばれた人)が中心となって価値を提供していく1:nの形からn:nの参加型に進化できたところだけが、ビジネスとしては残るでしょうね。

そして「多くの普通のサラリーマンがサロンを運営する」という楽観的な未来も、十分にあると思います。ガンガン稼いでいるということではなくて、小さなサロンがたくさんある感じです。テクノロジーの発展によって人々はより多様な幸せのかたちを求めるようになり、一方でサブスクリプション型のサービスを提供しやすい土台は、ますます整っていきますからね。どうなるものか、楽しみですね!

 

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