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「考え抜く」ってどれくらい?

フラスコ代表、安田です。私は良く「いったん考え抜いてみてください」というような発言をするのですが、そのとき「考え抜くってどれくらいですか?」というご質問を受けます。今日はここについて、いったん考え抜いてみましょう。

どんなシチュエーションか

私がどんな場合に「いったん考え抜いてみてください」と言うかといえば、例えばオンラインサロン(サークル)のコンセプトについてです。とても不思議なことなのですが、私から見ると何も考えずに、とりあえずオンラインサロンを立ち上げてしまう人がとても多いと感じているからです。

オンラインサロンまでいかなくても、イベント一つとっても「なぜそれをやるんですか?」という質問に答えられないくらい、考え抜いた形跡がないイベントはたくさんあります。まあ、イベントは「なんとなく楽しそうだからやってみた」でもダメということはないのですが、もったいないなと思うんですよね。

イベントは実験なので、考え抜いた仮説があったら良いデータが取れて、次の改善につながるのにと思ってしまうんです。ましてやオンラインサロンだったら、考え抜かないで始めると失敗する確率がとても高いんですよね。かける時間やエネルギーが、本当にムダだなと感じてしまいます。

フラスコの仕組みは1ヶ月考え抜いた

なので「いったん考え抜いてみてください」という発言につながるわけですが、そうすると「ではどれくらい考えたら良いのですか?」と聞かれると。「それをまずは考えましょう」と言ってしまうと禅問答みたいになるので、過去の実績から例を挙げることで回答してみましょう。

私がもっとも集中して考え抜いた経験と言えば、フラスコ立ち上げです。前身の人生計画フォーラムを解散することを決断し、新しい仕組みとしてのフラスコを作り上げるため1ヶ月間、人に会わずにノートと向き合って考え抜いたのが集中して考え抜いた期間としては一番長かったですね。

その「一人大合宿」に入る前までは考えるべきことは無限にあるように感じていましたが、1ヶ月もあるとさすがに最後の方は、細部の詰めをやっていました。どんなことであれ大きく考えるためには、ざっくり1ヶ月もあれば十分だと言えるでしょう。

年に2〜3回、1〜2週間考え抜く

とは言え、私ですら1ヶ月の合宿期間を取ることは簡単ではありません。定例の仕事もあれば、収入の不安もあるでしょう。なので現実的な考え抜く期間としてお勧めしたいのは、1〜2週間の「一人合宿」です。年末年始やゴールデンウィーク、シルバーウィークを活用すれば確保できる期間ですよね。

例えば10日間の期間があれば、前半5日でビジョンを大きく広げ、後半5日間で実現案を考えるという感じでペース配分ができます。日常の作業に追われている状態ではこの「大きく広げる」ということが十分にはできないんです。期間が長ければ長いほど、遠くに行くことができます。

私の場合はビジョンだけではなくてシステムやコンテンツ、人生計画といったことも考えるので、1週間では少し足りない感じです。今回の年末は5日間しか確保できないので、考えるべきことを事前に絞り込んであります。連休や夏休みも考える時間をもらったので、なんとか大丈夫かなくらいです。

3時間でもやった方が良い

そういう意味では、家族を抱える方は突然「年末年始に5日間、合宿をするから」と宣言すると家庭崩壊の危機になるかもしれません。なのでいきなり、あまり無理をしないでください。まずは2泊3日でも、1日でも3時間でも良いんです。それでもやらないよりは遥かに良いです。

正月休みのどこかで少し早起きをして、3時間だけでもカフェにこもって「一人合宿」をしましょう。あらかじめ、ご家族の了承を得ておいてくださいね。午後から◯◯にみんなで遊びに連れて行くから午前中は時間をくださいとか、買い物をしている間だけカフェにいさせて、という感じです。

3時間ではビジネスの根幹を考えるにはものたりないですが、コミュニティやイベントのコンセプトを仮説レベルで考えるなら、3時間でも十分です。だらだらやってはいけませんので、スマホの電源は切って、集中して下さい。ノートに書きながら、考えましょう。

考え抜いて出てくるのは「机上の空論」だが

これだけ考え抜くことを推奨しておいてこんなことを言うのも恐縮ですが、ノートに向かって考え抜いたところで、出てくるのはしょせんは「机上の空論」です。もう少しまともな言葉を選ぶなら、「仮説」に過ぎません。頭の中だけで考えて「正解」が出るほど甘くはないのです。

それでも、「仮説」があれば「実験」することで「検証」ができます。イベントをやってみて、そこでの反応をみて仮説を修正していく。ただそれだけのことですが、そのことの価値はとても大きいです。仮説がなければ、実験をしてもほとんど何も得られないので。

適当に大量行動を積み重ねて、偶然あなたにとって正しい答えにたどり着く可能性はゼロではありません。でもそれよりは、たとえ1ヶ月間を費やしてでもしっかりした仮説を積み上げ、実験を始めた方が結果として、費やすエネルギーや時間は少なくなるのです。ぜひ、考え抜いてから行動してください。

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