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客単価5千円の美容院が使える広告費は、顧客1人あたりいくらまでか

フラスコ代表、安田です。私がサポートする方はコーチ・コンサル・士業などの対人スキルを活かしたビジネスをされている方が多く、飲食店とか美容院の方は少ない(できなくはない)のですが、これはあくまでLTV(顧客生涯価値)を理解するための例題です。顧客1人あたり広告費、いくらまでだと思います?

まず前提条件の整理

もう少し正確に前提条件をお伝えしますね。まずこの美容院は、オーナーの美容師さんが1人で運営していて、人を雇ったりはしていません。お店はオープンしたてでがらがらで、オーナーはいつもヒマです。

美容院なので材料費や電気代などの変動費(お客さんが増えるとかかる費用)はかからず、ちょっと乱暴ですがお店の賃料も気にしなくて良いとしましょう。つまり、売上が増えるとそのままの金額、粗利が増えるという構造です。

で、1回あたりの単価は平均して5千円です。オーナーは腕と接客には自信があって(ガラガラなのに)「一度来てくれたら、お客さんは平均して1年間は通ってくれます」と胸を張ります。この言葉も信じましょう。そしてここでは、ちょうど1ヶ月に1回、人は髪を切るものだと仮定しましょう。

直感的に回答すると

とまあここまで条件を並べれば、勘の良い方は「何かあるな」とお気づきでしょうが、あくまで最初のざっくりした相談時に直感で考えると「5千円だったら、初回は2〜3千円割引してあげたら?」「1人あたり5千円以下の範囲で広告を使うとか」みたいな回答をする方が多いのではないでしょうか。

ビジネスの経験がある方だったら「10回通ってくれたら1回無料になるポイントカードを作ったら?」「誰か友達を紹介してくれたらその人は無料とか?」「思い切って初回無料とか!」みたいな案も出てくるかもしれません。これは、アイディアとしてはなかなか悪くありませんね。

あとはまあ、コンサルなんかをやっている方だったら「そもそも5千円は安すぎる。客単価を1万円にしなさい」「逆に千円にしろ」とか「そんなにがらがらなのは、お店の場所が悪い。お店の視認性がどうのこうの」とか言うかもしれません。きっとそれもあると思うんですけど、今日のお話はそこじゃありません。

LTVの計算方法

今回のポイントは、LTVです。LTVというのはLife Time Valueの略で、日本語に訳すと顧客生涯価値となります。言葉を選ばずにわかりやすく説明するなら「そのお客さんは人生を通して、いくらあなたを儲けさせてくれるのか」です。

この例だと、平均の単価は5千円で、1度来てくれさえすれば平均して12ヶ月は通ってくれるということなので、6万円は使ってくれるということになります。

平均、平均と言っているのは中には単価が安い人(子供とか)もいれば、1回で終わる人もいる一方で、高い商品(パーマとか)を買ってくれたり、2年3年と長く通ってくれる人もいるからです。なので平均すると、LTVは6万円だということになります。

使える広告費の上限は

では、使える広告費はお客さん1人あたりいくらでしょうか。なんとなく、5千円以上を使っても大丈夫なんじゃないかという気がしてきましたよね。そう、この問題の前提が正しいとするなら、理論上は「6万円まで」が正解です。

そうは言っても実際には、6万円の広告を使ってお客さん1人に来てもらっても全く利益は出ないので、その何%まで使うかで意思決定をすることになります。サービス業だと、広告費はせいぜい15〜20%くらいが適正でしょう。

なので安定的には1万円くらい、最初は勢いを付けるためにちょっと頑張って1.5〜2万円くらいまでは、1人の顧客を捕まえるために投入しても良いのではないでしょうか。直感的にはかなり思い切った施策に思える「初回無料」もたかだか5千円ですので、決して不可能ではないのです。

ビジネスと広告費の関係

まあまあ、実際には無料にしてしまうと「ただなら行ってみよう」と思う質の悪い人が来てしまったり、お店のブランディングが壊れてしまったりという面もあるのでやり方は慎重な検討が必要です。

それでも「5千円のサービスなんだから、広告は2〜3千円」みたいな発想をしていたらビジネスの発展は望めません。LTVを理解した上で、キャッシュフローに気を配りながら、思い切った広告を使うタイミングというのはあるものです。

私も最初、月額3千円の今で言うオンラインサロンのメンバーを増やすのに3千円のランチを奢っていました。成約率が50%としても6千円で3千円の商品を売っていたので、半分は自分の分のランチだということを差し引いても「赤字じゃないですか」なんて良く言われていました。

そんなときいつも私はこのLTVの話を思い出して、「数万円の商品を売るために6千円のコストをかけているに過ぎないのだから、とても効率が良い」と思っていました。この考え方が、定額課金のサービスを成長させる上では重要なんです。

LTVを計算しないと、他にも3千円のセミナーに単価1〜2万円の広告を使うなんてこと、できませんからね。全ては長期的な収益と確率論。それに基づいて意思決定をするんです。ビジネスって、そういうものなんですよ。

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