「会社を辞めてアフィリエイターを目指す」のは間違い
フラスコ代表、安田です。私は起業支援をしているので、会社を辞めたい人と良くお会いします。でも、特に家族がいるのであれば「会社を辞めてアフィリエイターを目指す」のは明確に間違いだと思います。では、どういう状況なら会社を辞めても良いのか、考えてみましょう。
アフィリエイターの難しさ
昨日の『プロブロガーになるために必要なアウトプット量は1日何記事か』でも書きましたが、文章を書いて生きていくにはたとえば仕事をしながら1日3記事、クオリティの高い文章が書けるかというのが「出発点」になります。それである程度の収入が得られるようになってからはじめて、退職を考えるべきです。
アフィリエイトの特質なのですが、副業でやっているうちは「好きなものを紹介して、収入も得られて嬉しい」で良いのですが、専業で家族を食べさせていくとなればこれはもう「別に好きではないけどこれを売って収入を得たい」という欲望に抗うことは難しくなっていくでしょう。
立花さんですら、今はブログ記事からの収入は月40万円くらいと仰っていました。トップブロガーが、好きなものを紹介するという自然体でこれくらいの収入が得られるというのがアフィリエイト(とアドセンスの合算で40万円だと思います)であると言えるでしょう。
仮想通貨とかFXとか脱毛とか痩せとか、もうなんでも良いから売れれば良い、情報弱者よ集まれ!と魂を捨ててしまえば月収100万円越えも見えてくるのでしょうが、その「プロ」状態を長く続けることが可能かどうか、十分に自問した方が良いでしょう。私はちょっと、無理だなと思ったんですよね。
デイトレーダーやネットビジネスもそう
これってFXなどのデイトレーダーや、ネットビジネスも同じです。あ、ネットワークビジネスは論外ですよ。ほとんどの人は稼げません。ここで言っているネットビジネスは、インターネット上で組み立てる仕組みのことですね。フラスコもここに含まれるといえば含まれます。
いまだに「ポータルサイトを作ります」「マッチングサイトを作ります」という人がいて、「キュレーションメディアを作ります」でも大差はないのですが、もちろんそれで成功することもあるのでそれ自体は止めはしないのですが、「これからはじめるが、会社を辞めて専念する」という発想が危険だとお伝えしたいのです。
コーチやコンサルタントですら、基本はやっぱり副業からはじめて、ある程度の収入を得られるようになってから退職を考えたら良いと思います。まあここは私もできなかったことなのであまり強くは言えないし、辞めたい人の気持ちも良くわかるのですが、やはりこちら側から見るとそう強く思ってしまいます。
5年前の自分に対しても「まあそんな焦らずに会社に内緒で仕組みづくりを進めて、ある程度は人が増えてから辞めたら」とは思います。当時は日本生命は副業禁止だったのですが、「バレたら辞める」という腹の括り方ができれば随分と楽だった(まあ、簡単ではありませんが)なあと。今では副業も許されてくるので、なおさらすぐ辞める必要はないと思います。
いきなり会社を辞めても良いのは
ではどんな状態であればいきなり会社を辞めて起業しても良いかというと、一つは十分な貯金があって家族がいない場合です。他にも奥さんが働いていて安定した収入がある、不動産の賃料だけで食べていける、などの特殊な経済状況にある場合は、良いのではないかと思います。
そうでなければ現在のお仕事で十分な専門性があって、辞めてもすぐに仕事を発注してくれるお客さんが何人かいる場合です。向こう1年くらいの売り上げが読めるのであれば、良いかもしれません。まあこれも、新規顧客の獲得方法を早急に学ばないと、かなりの確率で1年後に危険な状態になるんですけどね。
あとは十分に若い場合ですね。20代で独身なら、失敗したら再就職すれば良いだけなのでリスクはありません。そうでないのなら、基本は仕事をしながら実験を繰り返し、ある程度の収入かマーケットが存在するという確信を得てから、退職を考えたら良いと思います。
「会社を辞めたい」だけで辞めない
私は決して「絶対に会社を辞めるな」と言っているわけではありません。ただ、今のここから逃げたい、とにかく会社を辞めたいという気持ちだけで辞めてしまってはいけないですよ、ということです。精神状態がもたないなら、休みをとって療養すれば良いと思いますし。まだ収入も得ていないのにアフィリエイトで・・・という発想は、あまり考え抜いていないなという印象があるんですよね。
考え抜かれたプランがあって、実験してマーケットがあることを確認したら、挑戦してみるのも良いでしょう。どうしても最後は見切り発車という要素はなくなりませんし。人生は一度だけですから、挑んでみたいという気持ちは大切にすべきです。考え抜いて、実験した上での結論がアフィリエイターになるということなのであれば、それでも良いんですよ。
追い込まれればすごい力が出るという「背水の陣を敷く」という発想はナンセンスです。大切なのは考え抜くことと、実験です。事前にできることを全部やり、リスクをできるだけ減らしてから、飛び出しましょう。それでもなかなか、起業というのはスリリングですよ!