「仕組み」は参加者の誰もが得をするもの
フラスコ代表、安田です。フラスコは「こんな良くできた仕組み、よく自分で考えましたね!」と言って頂くことが多いのですが、とてもシンプルでそんなに特別な仕組みではありません。ただ仕組みを考えるには、ちょっとしたコツがあります。
「自分だけが得をする」仕組みは拡がらない
あまりうまくいかない仕組みやコミュニティの典型的な特徴として、主催者だけが得をする設計になっていることが挙げられます。王様と奴隷の関係性と言いますか、お金を吸い上げると言いますか。そういう発想です。
究極的には仕組みを作る人は自分が得をするためにやっているので、普通にやるとそうなるのは仕方がありません。しかしそれだと当然ながら、最初は盛り上がっても参加者はどこかでそのことに気づきます。あれ、おかしいぞと。
人間、短期的には騙されることもあるのですが長期的にはそれなりに賢いんです。新興宗教のようにがっつり洗脳でもすればともかく、合理的に行動をする個人を騙し続けることは容易ではありません。そういう繁栄は、長く続きはしないでしょう。
「誰かが損をする」仕組みは続かない
主催者を含め、誰か特定の人が犠牲になる前提の仕組みも長くは続きません。主催者以外が全員得をしていれば問題ない気もするでしょうけれども、肝心の主催者がメリットを得られないと、モチベーションが続かなくなります。
ここで誤解して欲しくないのが、損得というのは必ずしも金銭のことでなくても良いのです。むしろ全員が金銭的に得をするという仕組みはちょっと怪しいと思って良いでしょう。誰かが得をすれば、誰かが損をするはずです。
ここで誰もが得をするいうのはそういうことではなくて、ある人は金銭的なメリットを得て、ある人は有力なつながりを得られるメリットを、ある人は楽しさを受け取り、ある人は貢献したという充実感と将来の仕事が得られる可能性がある、というようにそれぞれ異なった「得」があれば良いのです。優れた仕組みは必ず、そうなっています。
投資商品のスキーム分析
私がそのことを当たり前のように理解しているのは、サラリーマン時代に担当した仕組み商品への投資判断をするという仕事が強く影響しているかもしれません。
仕組み商品というのは融資や不動産などの現資産に直接投資をするのではなく、いくつもの投資対象を組み合わせたり、間に信託や特定目的会社を挟んだり、まあようは契約上の工夫がされたちょっとややこしい商品のことです。
日本生命という会社は投資家なので、外資系の投資銀行などが組成した商品への投資をする立場でした。それでたまたま、私がそれの判断をする(厳密には判断材料を整えて上に諮る)立場にいたんですね。
そのときに注意したのが、「全てのステークホルダーにどんなメリットがあるか」を見極めることです。分厚い契約書の他に簡単にまとめたタームシートがあり、それらとにらめっこしながら各関係者の立場になって、それぞれのメリットはなんだろうかと考えるんですね。
詐欺商品のスキーム
まあ日本生命くらいの機関投資家になると、怪しげな人たちが組成した商品はそもそも検討すらしないので、完全な詐欺商品にお目にかかることはまずありません。でも「ちょっと変だな」というレベルの商品はたくさんあります。
こちらにメリットがないのであれば、断れば良いので簡単です。怖いのは、自分たちのメリットが大きすぎる場合です。組成する金融機関が損をしているように見える。そういうときは、必ずなにか大きなリスクを見落としています。
デリバティブや契約書の細かな文言を駆使して、一見してメリットが大きくてリスクが少ないように見える商品の本質を見抜く、そういう仕事をしていたことは今となっては大きな財産です。
投資商品は必ず、参加者の全員が得するようにできています。このプレイヤーはなぜわざわざこのスキームに参加するのだろうか、そう問いかけ続けるといずれ、仕組みの本質について理解することができます。
フラスコの仕組みは実験の賜物
となんだかちょっと偉そうになりましたが、フラスコの仕組みは私の頭の中だけで作られたわけではありません。残念ながら私は、外資系投資銀行の商品開発部門にいる超エリートの人ほど、賢くはないので。
フラスコはごくシンプルな仕組みから始まり、試行錯誤の実験を経て、2,700円で3,000ポイントという絶妙の水準で落ち着きましたし、システム登録料というハードルによりイベント実施者の質というか本気度を保っています。
研修やイベント、会則・ガイドラインといったところもまさに現在進行形で実験が繰り返されています。システムなどまだまだ不完全なところはありますが、かなり良い感じに整ってきました。
イベントやオンラインサロンを主催する人、それらに参加する人、そして運営する我々も含めて誰もが得をする仕組みになりつつあります。これなら続けられるし、拡がる。そういうぎりぎりのバランスが、取れてきています。
正会員は150人になりましたが、10万人を目指せる仕組みに、なってきたなと感じています。ご興味ある方は、フラスコ説明会にお越しください。面白いですよ!